2019.11.02

複合機・コピー機の年間コストを40%削減する4つのアイデア

複合機・コピー機の年間コストを40%削減する4つのアイデア

突然ですが、みなさんが会社で使っているコピー機は、1枚いくらでプリントしているかご存知ですか?

コピー機は、印刷に要する紙・インク代のほかにも「保守料金」などがかかっています。コスト削減に取り組むことで、実に年間で約40%ものコストカットに成功した事例もあります。

本記事では、「複合機・コピー費のコスト削減」を実現する方法について解説します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

複合機・コピー機のコスト削減をするには

数ある経費の中でも、「今すぐに削減できる経費」の一つに複合機・コピー機が挙げられます。

複合機・コピー機は、ほとんどの企業が日常的に使用するものです。日常的に利用する経費の削減は、取り組みを行っているかどうかによって、大きな差が生じる可能性があります。

複合機・コピー機の効果的なコスト削減には、今すぐ取り組めるものから、コストや手間はかかるものの、抜本的な削減が可能なものまで、合わせて4つのアイデアがあります。

  • 相見積もり価格交渉
  • 複合機・コピー機のスペックを最適化
  • カラー印刷の抑制
  • 印刷枚数の抑制(ペーパーレス化)

それぞれの方法を説明する前に、まずは複合機・コピー機のコスト削減によってどの程度のインパクトを見込むことができるのか、成功した企業の例から見ていきましょう。

島村楽器株式会社は複合機の入れ替えにより「年間約2,500万円の大幅なコスト削減を実現」

島村楽器は、全店舗の出力機器をリコー製A4コンパクト複合機に入れ替えた。その結果、POPなどトナー消費の激しい出力ストも安価に平準化され、毎月200~300万円、年間で約2,500万円の大幅なコスト削減を実現した。同時に、スキャン機能で各店舗の書類データを本部へデジタル送信することで、郵送コストも削減された。

https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/case/shimamura.html

 

「印刷枚数が多いのに、複合機・コピー機のスペックが低い。」

「印刷枚数が少ないのに、複合機・コピー機のスペックが高い。」

このようなことが原因で余分なコストがかかっている場合、企業の規模/利用状況に合わせた複合機・コピー機に切り替えるだけでも、成功事例のような大幅なコスト削減が可能になることがあります。

カウンター料金1枚あたり相場はどれくらいか

コピーの単価をご存知の方は少ないのではないかと思います。モノクロ印刷とカラー印刷に2種類がありますが、それぞれの1枚当たりの単価を知ることが重要です。

単価相場は調達している総量(何台発注しているか)や機種によっても異なりますが、ごく一般的なカウンター料金の市場価格は、白黒0.8円/枚、カラー8.0円/枚と言われています。

もちろん、発注条件や交渉次第では、更なる値下げも可能です。
コスト削減後のカウンター料金の事例(抜粋)をご紹介します。

【製造業】社員数100~300名

印刷枚数:1,000枚(モノクロ)、1,000枚(カラー)
カウンター料金:0.8円/枚(モノクロ)、8.0円/枚(カラー)

【人材系】社員数1,000名~

印刷枚数:200,000枚(モノクロ)、10,000枚(カラー)
カウンター料金:0.6円/枚、5.4円/枚

【IT・ソフトウェア】社員数300~500名

印刷枚数:50,000枚(モノクロ)、80,000枚(カラー)
カウンター料金:0.7円/枚(モノクロ)、6.0円/枚(カラー)

複合機・コピー機の導入を検討し、サプライヤーと価格交渉をする中で、本当の市場価格を知らずに交渉するのと、きちんと市場価格を知ったうえで交渉するのでは、大きな差が生まれます。上記のような事例を知ることは、交渉の助けとなるはずです。

リースと購入ではどちらが安いのか

オフィスで複合機・コピー機を使用する際は、リース契約か、購入するかの二つの選択肢があります。

一般的には、リース契約する企業が大半ですが、もちろんそれぞれにメリット・デメリットが存在します。

 

 

リースのメリット

  • 最新機種を導入可能

複合機・コピー機のリースは、基本的に新品のみを扱うため、最新の機能を搭載した機器を使用することが可能。

  • 初期費用を抑えることができる

購入の場合はまとまった出費がかかりますが、リースの場合は初期費用がないケースも多く、出費を抑えることが可能。

  • 補償が受けられる

リース契約締結と同時にカウンター保守契約も結ぶため、さまざまなサポートが受けられる。

 

購入のメリット

  • 減価償却を使って費用計上が可能

償却資産と認められるため、減価償却処理が可能。

  • 契約期間に縛られず使用することができる

自社に所有権があるため、自由に使用・入れ替えが可能。

  • 中長期で見るとコストが安くなる可能性がある

初期費用はリースに比べ必要であるものの、中長期で使用することで結果的には安価になることが多い。

 

リース契約の場合は「初期費用が抑えられ、かつ最新の機種を使用できる」点が、購入の場合は「総支払費用がリース契約の時と比べて少ない」点が大きな魅力でしょう。それぞれのメリット・デメリットを鑑みて、自社に合った導入方法を検討してください。
 

リース契約での複合機・コピー機の計算方法はどうしたらいい

実際にコスト削減に取りむ前に、まずは複合機・コピー機に毎月どの程度のコストがかかっているのかを計算してみるところから始めましょう。

複合機・コピー機の費用は、「機器代金」、「使用量」、「その他料金」の3つの合計によって算定されます。それぞれの詳細は以下の通りです。

  • 機器料金

機器代金とは、複合機・コピー機の代金のことで、リース契約での支払いが中心となっていることから「リース料金」と呼ばれることが多いです。リース料金は、コスト上大きな割合を占めています。

  • 使用料:カウンター料×枚数

カウンター料とは、1枚当たりの印刷に要する単価のこと。トナー料金や、修理費用も含んでおり、モノクロとカラーでそれぞれかかっています。

  • その他料金

その他料金は、契約形態によって設定されるサポート料金や、付属設備の料金などを指します。

複合機・コピー機のコストを削減する4つのアイデア

冒頭でご紹介した通り、複合機・コピー機のコストを削減するアイデアは4つあります。

  • 相見積もり・価格交渉
  • 複合機・コピー機のスペックを最適化
  • カラー印刷の抑制
  • 印刷枚数の抑制(ペーパーレス化)

 

相見積もり・価格交渉

1つ目のアイデアは、「相見積もり価格交渉」です。

相見積もり・価格交渉を行う際は、「見える化・プランニング」→「実行」と2つのステップを踏む必要があります。

 

①見える化・プランニング

まずは、相見積もり・価格交渉に向けて、自社が現在複合機・コピー機にかけている費用の状況の見える化を行います。

複合機・コピー機は、企業ごとのボリューム(印刷枚数・機器第数等)に応じて適正価格が異なるため、自社の特徴を正確に把握しておかないと、かえって割高になってしまう場合もあり、注意が必要です。以下の図をご覧ください。

この図は、”カラー印刷の発注数量・カウンター料”を、市場価格と自社価格で比較して見える化した図です。

相見積もり・価格交渉を行う際は、自社の状況に応じて適切なアプローチをする必要があるので、まずはじめに自社の水準を把握することが重要です。

状況が把握出来たら、次はプランを行います。分散している発注を集約することでバイイングパワーをつくることは可能か?自社価格と市場価格との乖離を交渉によって解決できるか?など、課題に対して何をするべきであるのか、具体的な計画を立てましょう。

 

②実行

具体的なプランニングが出来たら、次は実際に相見積もり・価格交渉を行います。

上記にみられるような代表的な問題「発注が分散している」「自社価格が市場価格と乖離している」という状況下では、実行に以下の2つのステップを取ります。

  • 分散している発注先を集約する
  • 市場価格の獲得に向けて、相見積もり・価格交渉を行う

実行の際には、まず分散していた発注先を集約することで、規模の経済性が働くことにより価格交渉が行いやすくします。これにより、今までそれぞれの発注先に対して行っていた購買手続きや業務をまとめて行えるようになるため、発注担当者の負担が軽減されるというメリットもあります。

尚、契約業者を変更することなく、現状のサプライヤーに対して価格交渉を行うことも可能です。その際も、上記のような交渉がしやすい工夫をしましょう。

 

複合機・コピー機のスペック最適化

2つ目のアイデアは、「複合機・コピー機のスペック最適化」です。

すでに事例でご紹介した通りですが、複合機・コピー機のコスト削減は、企業の規模/利用状況に合ったものに切り替えを行うだけでも、大幅なコスト削減が可能になります。

まずは自社でどのスペックの機器が使用されているのかを確認し、実務現場で必要なスペックに対して乖離がないかどうかを調査してみましょう。

 

カラー印刷の抑制

3つ目のアイデアは、「カラー印刷の抑制」です。

カラー印刷はモノクロ印刷よりも価格が高く、一般的には約5倍程度の価格になっています。よって、カラー印刷を抑制することは、印刷代のコスト削減に大きな影響を与える可能性があります。

カラー印刷の抑制を実行するには、以下の2つのステップが必要になります。

  • 現状の可視化・基準の策定
  • 運用・モニタリング

まず、部門別のカラー印刷の利用状況を可視化し、現状を把握したうえで、自社比・他社比で、社内での統一的な基準値を設定します。

そのうえで、「基準値を遵守しているか」など、運用・モニタリングを徹底し、基準値を上回っている部分がある場合には警告・遵守の徹底を行うことで、カラー印刷の比率を抑制していきます。

この手法は即効性が高く、コスト削減の結果が現れやすいです。ただし、モニタリング・指導の方法によっては現場にストレスを与える可能性があるため、こういったことがないよう、利用実態に即したガイドラインを設計していくとよいでしょう。

 

印刷枚数の抑制(ペーパーレス化)

4つ目のアイデアは、「印刷枚数の抑制(ペーパーレス化)」です。

ITツールを活用することでペーパーレスを実行出来れば、紙代・印刷代が大幅に減り、コスト削減に直結します。

しかし、一口にペーパーレスと言っても、どの文書を電子化するかによって実現難易度は大きく異なります。

社内用資料(難易度:小)

社内用資料は、(一部反発が想定されるものの)社内規定の変更が主であり、相対的に切り替えが容易です。

社内用資料のペーパーレスへの切り替えによって書類がデータ化されれば、「ファイルから書類を探して出す」など、今まで物理的に探していた情報に瞬時にアクセス可能になるので、作業効率が向上します。また、リモートでもすぐに情報を得ることが出来るようになるので非常に便利です。

営業資料(難易度:中)

営業資料は、投影への変更、電子データの共有(PDF等)へ移行することで概ね対応可能です。営業資料をペーパーレス化することで、重い書類を大量に持ち歩く必要もなくなるので、営業の負担が軽減されるというメリットもあります。

帳票類(難易度:大)

帳票類は、「e-文書法」によって電子化された文書ファイルの保存や、紙として保存された文書をスキャンしたものも正規の文書として認められるようになりました。しかし、業種によっては法規制への対応、業務・オペレーションが伴うため、切り替え難易度は高くなります。

 

ペーパーレス化を実行する際は、まず社内資料から着手し、次に営業資料や帳票などの社外用資料へと拡張していくのがいよいでしょう。

 

複合機・コピー機6メーカーの特徴を徹底比較

次に、複合機・コピー機の大手6メーカーの特徴を比較していきます。

RICOH

  • 保守拠点数が業界No.1
  • J.D POWERが実施した2019年ITソリューションズプロバイダー顧客満足度調査の独立系/ユーザー系/事務機器系SIer セグメント、および2019年IT機器保守サービス顧客満足度調査<サーバー機編>の2分野において、5年連続第1位
  • 購入時未搭載の最新機能をネットワーク経由で追加可能である仕組みを搭載した機種の販売
  • コンピュータセキュリティのための国際規格であるCC認証取得による高いセキュリティ

RICOH

 

京セラ

  • コストパフォーマンスが良い
  • 2019年のG20大阪サミットで使用された
  • 外観のデザイン性が高い
  • 立ち上がり・印刷のスピードが速い

KYOCERA

 

コニカミノルタ

  • 機種や機能の種類が多い
  • クリエイティブなデザインで、A3カラー複合機のbizhubシリーズは2019年度グッドデザイン賞を受賞
  • 世界的に権威のあるESG投資指標の1つである「Dow Jones Sustainability World Index」(DJSI World)に8年連続で採用

KONICA MINOLTA

 

富士ゼロックス

  • カラーコピー機顧客満足度No.1評価(参考
  • 中小企業の経営力向上を支援する「経営革新等支援機関」として掲載産業省に認定されている
  • 環境に配慮した商品・サービス

FUJI xerox

 

シャープ

  • どんなオフィスにも合うシンプルでデザインで、2019年度グッドデザイン賞を受賞
  • コンパクトなサイズで置き場所を選ばない
  • 業界でのCC認証取得のパイオニアで、高いセキュリティ

SHARP

 

Canon

  • 国内シェア率No.1
  • 画質が良い
  • インターネットを利用して複合機/レーザービームプリンター/大判プリンターの状態を常に見守り、快適な使用環境を提供するオンラインサポートサービス有

Canon

 

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