人件費削減入門|業務改革と要員計画がカギ。安易なリストラに走らないための対策を解説

人件費は、固定費の中でも占める割合が大きい費用。そのため、人件費を削減することは、大きなコスト削減につながることも多いです。 一方、人件費削減と聞くと、リストラ、希望退職など大胆で、デメリットが多い削減方法を連想してしまう方も多いのではないでしょうか?このようなイメージが存在する理由は、取るべき「打ち手」とその「順序」がコスト削減の成否を大きく左右するからです。 本記事では、2つの適切なアプローチ方法と、実行の際に押さえるべき点をお伝えします。 TEXT BY Leaner Magazine編集部 人件費削減を進める前に押さえておきたい2つの留意点 人件費削減を闇雲に始めようとすると、社員の負担や、コスト削減目標に達しないことにつながりかねません。人件費削減が失敗に終わらないように、気を付けるべきことを2つ挙げます。    ①コスト削減は段階的に進める 「大胆なコスト削減策の方が多くのコストを削減できる」と思われるかもしれません。 しかし一度に大規模なコスト削減を行うと、管理体制の細部に支障をきたすリスクもあります。予期せぬ問題が複数出てしまうと対処できず失敗に終わることもあり得ます。また、人件費はそれ自体が利害関係者の多い費目であるため、複数の問題が生じやすいのも事実です。 例えば、ある業務を削減すると決め業務担当者を完全に部署異動する場合、その決定がミスだったとしても後戻りが難しくなることがあります。 細かな作業内容の留意点が引き継がれないため、 一から業務を再開しなければいけない上、部署異動となった人たちもその都度元の部署に戻りサポートしなければいけず、本業務に集中できません。 このようなケースを防ぐために、段階的・継続的に計画を練ることが必要です。少しずつ削減に取り組み、PDCAを回しながら対処してみてはいかがでしょうか。    ②業務量の削減から始める 人件費を削減するというと、多くの企業は人を減らすこと、つまり「要員の適正化」に取り組みがちです。しかし「要員の適正化」から始めると、その業務の必要性を判断せずに、人員を割り振るため、優先度の低い業務に取り組む人も出てきてしまいます。 そこで、「業務量の適正化」を行ってから、それに準じた要員計画を考えることが重要でしょう。それぞれの業務に優先度をつけ、優先順位の高いタスクに対して要員を配置することで、社員に負