2019.12.22
クラウドコストを徹底解説|サーバー費用が安くなる?、コストを40%削減できる賢い方法
突然ですが、あなたの会社はクラウドサーバー費にいくら使っていますか?「オンプレミスからクラウドに移行したけれども、あまりコスト削減に繋がっていない…」という悩みを持つ会社は非常に多いです。クラウドサーバーはきちんと見直してネットワークを再構築すれば、40%コストを削減できる可能性があります。
この機会に、自社のクラウドサーバー費を見直してみてはいかがでしょうか。
本記事では、クラウドサーバーを選ぶ際の賢い選び方をご紹介します。
TEXT BY Leaner Magazine編集部
クラウドサーバー、オンプレミスとは?
「クラウドサーバー」「オンプレミス」を正しく把握していますか?なんとなくわかっていても、他人に説明はできない、という人が多いかもしれません。まずは、クラウドサーバーとオンプレミスの違いについて、正確に把握しましょう。
- クラウドサーバー
クラウドサーバーとは、オンライン上にある仮想サーバーのことです。自分のアカウントでログインするだけで、データを保存したり使いたいシステムを起動したりできます。大きな装置がなくてもパソコンさえ持っていれば使えるので、利便性が高く、多くの会社がこれを利用し始めています。
- オンプレミス
オンプレミスというのは、自社内のハードウェアを用いてサーバーを運用することです。従来では一般的な形態で、オンプレミスを導入している企業も多いです。
クラウドサーバーのメリットとは?
クラウドサーバーは、オンプレミスと比べて数々のメリットがあります。
- 初期費用を抑えられる
オンプレミスでは、サーバー機器・回線・設定費などの初期投資が必要となり、高価になりやすいです。クラウドは物理的に機器を導入する必要がないため、初期費用もかかりません。また、無料お試し期間が設けられているクラウドサーバーもあるので、比較的始めやすいメリットがあります。
- 日常的な費用を抑えられる
オンプレミスでは、月額の契約費に加え、電気代や保守費のコストがかかります。クラウドはほとんどが使った分だけ払う、従量課金制なのでコスト削減が可能です。
- 導入がスムーズ
オンプレミスでは、設備が整った後に利用が開始できます。一方クラウドは、オンラインでの申し込みが終了した直後に利用が開始できます。
- 手軽にサポートが受けられる
オンプレミスは、自社内の必要容量に応じて、ネットワーク構築・増強・障害に対する対応が必要です。クラウドでは障害や増強・カスタマイズが即時にできます。
クラウドサーバーのデメリットとは?
クラウドサーバーには数々のメリットがありますが、企業規模や契約条件によりデメリットにもなり得ます。
主に見過ごされがちなデメリットは3つあります。
- 使用分以上にクラウドサーバー費を払ってしまってる可能性がある
クラウドサーバーはオンライン上の申し込みですぐに始められます。導入のハードルが低いことで、企業の中には、複数のクラウドサーバーを使用する「マルチクラウド」を用いていることもあります。しかし、使い始めてみると不必要にクラウドを多く使用していることで、過度にCPUが使用され費用が嵩んでいる可能性があります。
- 従量課金制度がかえって向いていない
従量課金制度は、使った分だけ払うという一見コスト削減につながりそうな制度です。しかし、「必要な時だけサーバーを使用する」という管理がで来ていないことで、不必要な時もサーバーを用いていることがあります。自社の企業がどのくらいの頻度でクラウドサーバーを用いているのか、状況を把握できなければ、かえって高コストになってしまう可能性があります。
- コストの可視化が難しい
クラウドサービスは使うまで正確なコストがわからないため、支出の予想と分析が難しいという特徴があります。業務の中でどのくらいのコストがかかっているのかを把握できず、高コストになっていることがあります。
「クラウドサーバーの方がコスト削減できる」という狙いで導入し、気づいたらコストが嵩んでいる、ということを避けるためにも、クラウドを「賢く」利用することが重要です。
2つのコスト削減方法とは?
では、具体的にどのように利用すれば、コストを削減できるのでしょうか。クラウドサーバーには2つの削減方法があります。
- 使っていないサーバーのダウングレード・停止
1つ目のアイデアは、使っていないサーバーのダウングレード・停止です。
マルチクラウド化している企業では、1つのクラウドを運営する場合と比べ管理が煩雑化します。よってある業務の目的が終了したあとも、インスタンスを起動したままになっていたりします。起動と停止がスムーズにできるようなシステムを構築することで、すみやかにサーバーの停止ができるようにしましょう。
また、他のクラウドで同じ業務ができないかなど、条件をきちんと洗い出しましょう。複数のノウハウが必要となるマルチクラウドでは、同じ業務を違うクラウドで行っている場合があります。ノウハウを共有することで、サーバーごとの必要なスペックが見え、ダウングレード・停止する判断にも繋がります。自社の規模に応じて必要最小限のスペックのクラウドサーバーを用いましょう。
- 使っているサーバーの価格適正化
2つ目のアイデアは、クラウドサーバーの価格適正化です。
クラウドサーバーは初期費用が小さいため、自社に見合わない高スペック付属機能を追加して契約をしてしまってるケースも多いです。
原因としては、システムの最大使用量をベースにプランを設定している点が挙げられます。これらのサーバーの価格を適正化するためには、「必要なサーバーの業務内容把握」と「他のクラウドでの相見積もり」の2つのステップが必要になります。
①「必要なサーバーの業務内容把握」
サーバーのネットワーク構築の際、サーバーの管理者が必要です。管理者が、Webサーバー、CPU、ストレージ、データの転送量、ロードバランサー等それぞれどの程度使用するのかということを把握しておかなければいけません。
②「他のクラウドでの相見積もり」
現在の業務内容をベースに相見積もりを取りましょう。クラウドの見積もりは比較的簡単で、ぞれぞれのクラウドサービスがTCO(総所有コスト)計算ツールを提供しています。計算ツールを活用することで、具体的にどのくらいのコストが削減可能なのかがわかります。
また計算ツールとは別に、クラウドに問い合わせて確認をすることも大事です。契約内容だけでなく、契約期間、ディスカウント制度、前払いによる割引など詳細な部分を確認することで、より正確な見積もりが可能です。
主要なクラウドの計算ツールは以下になります。
Amazon AWSが出しているコスト計算ツールです。サーバーの詳細設定を入力することで、AWSを用いた場合、3年間でどのくらいの総コストが削減できるのかといったレポートを入手することができます。
Microsoft Azureが出しているコスト計算ツールです。詳細設定を入力後、提示された前提条件を確認します。Azureを用いた場合、5年間でどのくらいの総コストが削減できるのかといったレポートを入手することができます。
クラウドコンサルティングの利用メリット
2つの削減方法はお分かりいただけたでしょうか。
実際、定期的なモニタリングやスペックの見直しは非常に手間がいる作業ですよね。この削減方法を全て行ってくれるのがクラウドコンサルテーション事業者です。主に利用メリットは3つあります。
- 自社内に合ったスペックのサーバーを選ぶことが可能
自社内の業務内容に対応するサーバーのスペックの判断は、専門性が高く非常に難しいです。企業で取り扱うデータ量も企業の成長に伴い、変化し続けるので、毎回適正値に合わせていくのは難しいです。コンサルティングサービスを用いることで、常に最も自社に合っているスペックのサーバーを選ぶことができます。
- サーバー運用を常に監視してくれる
自社内でクラウドを最適化しようとするとどうしても、コストを常に監視することが難しくなってきます。常に監視体制が置かれていることで、サーバーのコストの可視化が可能で、コストを削減するための前提部分の構築が可能です。
- コストメリットがある場合が多い
クラウドコンサルティング会社は、クラウド会社に対して強いバイイングパワーを持って交渉しているため、まとまった量の製品を安価に仕入れています。これにより、直接クラウド会社と契約するよりも安価に利用が可能な場合が多いです。
主要なサプライヤーとクラウドコンサルテーション事業者
では、主要なクラウドサーバーとその導入・移行サービスを提供する、「Leaner編集部がおすすめする」クラウドコンサルティング会社をみていきましょう。
- AWS
- 業界第一位の導入数
AWSはAmazon社の子会社です。AWSが占める世界のクラウドインフラサービス市場のシェア率は約35%で、業界トップです。これにより世界で最も多くの利用者を抱えているため、1利用者あたりのコストを最も抑えることができます。
- 開発ツール・アプリケーションサービス等多くの機能有
AWSは常にサービスの開発を行っているため、日々多数の機能が追加されています。また、サーバーの機能を応用するためにAWS特有の概念が必要となる場合があります。
AWSの導入や移行サービスを代行してくれるパートナーは 以下のような企業があります。
今回は、「Leaner編集部がおすすめする」2社の特徴を紹介します。
- アイレット株式会社(cloudpack)
①利用料金がAWSとの直接契約よりも安くなる
アイレットが提供する請求代行サービスでは、代行手数料が無料、かつAWSと直接契約するよりも3%安価に利用することができるため、基本料金を下げることが可能です。また、AWSをすでに導入済みの会社も、アイレットと契約することで、コストダウンが可能です。
②サポート料が無料
AWSの利用方法で困ったことがあれば、サポートエンジニアが無料で対応してくれます。
- クラスメソッド株式会社
①ニーズによってAWSの利用料金が安くなる
クラスメソッドでは、AWSの様々なサービスを複合的に利用したい方向けに、AWSと直接契約するよりも5%安価に利用できるプランがあります。また、基幹システムでEC2を多く用いた構成を利用したい方には、使うサービスに応じて5〜100%のディスカウントが適用されるプランがあります。使うニーズに応じて、割引プランが設置されているところが強みです。
②用途に合わせたプレミアサービスがある
様々な用途に応じて、AWS運用支援サービスが提供されています。例えば、利用改善レポートを週次で作成してくれるサービスなどがあります。
- Microsoft Azure
- 業界第2位の導入数
AzureはMicrosoft社が提供するクラウドサーバーです。Azureが占める世界のクラウドインフラサービス市場のシェア率は約15%で、世界シェア第2位です。
→ビッグデーター解析などの付随システム有。
Azureの導入や移行サービスを代行してくれるパートナーは以下のような企業があります。
「Leaner編集部がおすすめする」1社の特徴を紹介します。
- NHNテコラス
①利用料が安い
NHNテコラスが提供する導入サービスでは、Azure利用料と同じ価格で導入・利用が可能です。また、Azureとの直接契約だと利用月から30日後の支払いですが、NHNテコラスだと60日後の支払いになります。
②用途に合わせたプレミアサービスがある
導入の基本的なサポートから、運用カスタマイズや障害の一次対応まで様々なサービスがあります。