2020.11.05
会社の水道光熱費を節約するには?効果的な経費削減方法を紹介
どの企業でもコストとして計上される「水道光熱費」。水道光熱費とは、電気代やガス代、水道代などをまとめた費用のことです。
支出として必ず計上される水道光熱費ですが、毎月の支出額の内訳を把握している方は少ないのではないでしょうか。
実は、水道光熱費は支出のどこに無駄があるのかを特定し、適切な削減アクションをとることで効果的に経費削減が可能です。中でも電気代は、特に削減がしやすい費用の1つと言えるでしょう。
本記事では、どの企業にも共通してかかる水道光熱費を少しでも節約するコスト削減アイデアを紹介します。
TEXT BY Leaner Magazine編集部
水道光熱費とは?費用の特徴を解説
水道光熱費とは、「電気代やガス代、灯油代、電球ランプ代などの、経済活動に必要なエネルギーを購入するためにかかる費用である光熱費と、水道料金によって構成される費用」です。
水道光熱費を削減するためには、まず費用の内訳を可視化することが必要不可欠です。可視化しないままでは、「水道光熱費が高い」と言われてもそのうち電気代が高いのか、ガス代が高いのかはっきりしません。
また、電気代やガス代ではそれぞれ削減方法が異なるので、費用を細かい費目ごとに分けなければ、削減のために何をすれば良いのか決めることができません。
自社の水道光熱費を「電気代」「ガス代」「水道代」というように分類し、コストを可視化することから始めましょう。
可視化することで、費目ごとの経費削減余地を概算することが可能になります。それぞれの費目に合わせた削減方法を検討していきましょう。今回は、水道光熱費の中でも特に大部分を占めている「電気代」「ガス代」「水道代」について、それぞれの削減方法を紹介していきます。
電気代の主な節約方法3選
電気代の価格構造とは?
電気代の料金はどのように決定されるのでしょうか?
電気代は、基本的に「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の3つの合計として算出されます。
電気代削減のためのアイデア3選
電気代を削減するためのアイデアはいくつかありますが、中でも取り組みがしやすいのが以下の3つです。
- 法人向け電気料金比較サービス(代理店)の利用
2016年4月の電力自由化に伴い、様々な企業が電力業界に参入し、多くの電力会社やプランが出てきました。企業は、多様なプラン・企業の中から、用途に合わせてサービスを選択できるようになり、利便性が上がっています。
様々な電気料金プランがあり、どれを選んで良いか分からないときに便利なのが、全国に数百社ある電力料金の見積もりを行う代理店です。代理店を活用し、見積もりを取って比較することで、最適な料金プランを選択しコスト削減に繋げることができます。
- 電力使用量の見える化・デマンドの抑制
電気代の基本料金は、過去1年のピーク消費電力(デマンド)をもとに決定されます。社内の電力使用状況を「見える化」し、デマンドを抑えることで基本料金を削減することが可能です。
具体的には、リアルタイムで電力の利用状況を監視できるデマンド監視装置を用いることで、電力使用量を見える化することができるでしょう。
- 省エネ照明・高効率機器への切り替え
電球の変更、社内規定の改定や人感センサーを使用することで、省エネ対策になります。また、電力の消費効率が良い機器に切り替えることで、消費電力を抑制することができます。
また、省エネ成果を計測することにより、補助金が支給されることもあります。
電気代の主要な削減方法を3つ紹介しましたが、これらの詳しい説明や、料金比較サービスの紹介など、電気代の削減については以下の記事で詳細に解説しています。ぜひご覧ください。
ガス代の節約方法
ガス代についての基本知識
いわゆる「ガス代」には、「都市ガス」と「LPガス」の2種類があります。
都市ガスは、メタンや液化天然ガスを主成分とし、道路の下のガス管を通じて供給されます。一方LPガスは、プロパンやブタンを主成分に持ち、LPガスが入ったボンベを事業社が配送してくれることにより供給されます。
また、料金の内訳も両者で異なります。
都市ガスの料金は、「基本料金」と「従量料金(従量料金単価×ガス使用量)」の合計で算出される一方、LPガスは「単価」と「数量(㎏)」の掛算により求められます。
都市ガス料金 = 基本料金 × ( 従量料金単価 × ガス使用量 )
LPガス料金 = 単価 × 数量
ガス代を削減する3つの方法
1.LPガスと都市ガス間での切り替え
一般的にLPガスよりも都市ガスのほうが安価です。初期費用として、導管の引き込み工事費用がかかるものの、長期的な視点でガス料金のコスト削減を考えるのであれば、都市ガスに切り替えることがおすすめです。
逆に、短期的にのみガスが必要な場合、LPガスのほうが結果的に安く利用できることもあるので、自社の用途を考慮して検討しましょう。
2.サプライヤーの変更・価格交渉
ガスにも複数のサプライヤーが存在します。オフィスがある建物内での制約があると難しい場合もありますが、自社の使用状況に合わせてなるべく最適なプラン・料金のサプライヤーを選択しましょう。
また、同一施設内で企業ごとに複数の異なる契約をしている場合、可能であれば一つの契約にまとめるのも良いでしょう。スケールメリットにより、単価の値下げ交渉ができるかもしれません。
3.電気・ガスのセットプランの検討
電力の自由化に伴い、ガスとセットのプランも出てきました。セット割引を使うことができる可能性があるので、一度調べてみると良いかもしれません。
支払い先を一本化できるメリットも存在する一方で、LPガスを使用している場合はセット契約できなかったり、実はセットにしても安くならない場合もあるので注意は必要です。
水道代の節約方法
水道代についての基本知識
水道代の料金は「基本料金」と「従量料金」の和によって計算されます。
基本料金は、水道管の太さである「口径」によって変化します。太い配管で水を引くほど多くの水が担保できるので、単価が高くなるわけです。
※参考:東京都水道局より水道料金http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tetsuduki/ryokin/keisan_23.html
一方従量料金は、使用水量に応じて払う費用のことで、使用量が多ければ多いほど単価が高くなります。水道局が、生活に必要な水は安価に供給し、私たちに節水を心がけさせるための設定です。
水道代の2つの削減方法
1.節水機器の導入
節水機器を水道口に取り付けることで、使用の度に節水が可能になります。
たとえば、蛇口に取り付ける節水コマや、シャワーが備わっている会社であれば、節水用のシャワーヘッドなどが該当します。多くの種類の機器が出回っており、取付が簡単なものも多くあります。
2.節水モードの徹底
トイレでは、使用後に水を流す際に「節水モード」がある場合が多いです。必要に応じて無理のない範囲で節水モードを使うように、社内で呼びかけしておくのも良いかもしれません。
水道光熱費を削減してみよう
今回は、水道光熱費の中でも「電気代」「ガス代」「水道代」のコスト削減について紹介しました。
全社で取り組むべきものから、一個人の努力の積み重ねで達成できるものまで様々です。社内でできることを特定し、一つずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
本記事がみなさんのコスト削減の一助となれば幸いです。