2020.06.04
オフィス賃料削減策は移転だけではない?コスト削減するときの3つのコツ
どの会社にも固定費として計上されている賃料。ただ、コスト削減をする際は暗黙のうちに除外していることが多いのではないでしょうか。
実際、“賃料の削減”は比較的難易度が高いと言われています。
とはいえ、賃料は経費に占める割合が大きいことも事実。それでは、最適な打ち手を講じることで、賃料削減を実現することはできるのでしょうか?
本記事では、難しいと言われている“賃料の削減”の実行可能性を高めるべく、3つのステップを解説していきます。
TEXT BY Leaner Magazine編集部
オフィス賃料の削減の前にチェックするべきこと
前提として、自社が現状で賃料をどのように、どれくらい支払っているのか確認しましょう。チェックすべきポイントは、金額はもちろん、月額または年額で支払っているのか、及び契約年数や更新時期などです。
また賃料を考える上で、平米数や立地も確認すべきです。これらを把握した上で、現状のオフィス使用頻度や使用方法について、それらが適切かどうかを見直していきます。
これらの条件を抑えた上で行う、オフィス賃料の削減の打ち手を3つ紹介します。
働き方の見直しとセットで、契約面積を見直す
自社が現状で保有しているオフィスの面積は本当に必要であるのかを見直し、契約面積を減らす方向で打ち手を検討します。面積を減らすとは、具体的には、借りているフロアを減らしたり、一部スペースを返還したりすることです。面積見直しの手段として、以下の2つの方法を紹介します。
1.リモートワークの導入
オフィスに来ずとも遂行可能な仕事をなるべくリモートワークで行うようにし、出社する人数を減らすことで、オフィスの使用面積を減らす方法です。
リモートワークには、他にもコスト削減に有効な効果があるので、ぜひ以下の記事を参照下さい。
2.固定座席制の撤廃(フリーアドレス制の導入)
オフィスには“自分の席”があることが一般的ですが、全社員が毎日社内オフィスにいるわけではありません。このようなとき、固定の座席をなくし各々が自由に働く席を選ぶ、フリーアドレス制度を導入することも有効です。固定座席を撤廃することで、稼働していない無駄なスペースを削減することができます。
フリーアドレス制度はオフィスの省スペース化だけでなく、社員間のコミュニケーションが円滑になるという副次的なメリットもあります。
実際、日本では総務省のオフィス改革の一環として導入されたこともあり、近年取り入れる企業が多くなっています。総務省行政管理局行政情報システム企画課オフィスでは職員1人当たりの床面積を17%削減するなどの効果がでています。
参考:総務省のオフィス改革https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/office_kaikaku/index.html
ポイントを抑えて価格の交渉をする
2つ目の打ち手は、価格交渉です。契約状況を確認したのち、建物のオーナーと希望条件について交渉をします。
オーナーにとっては“誰も借りてくれない”という状態が一番の痛手となります。そのことに留意し、新規借り手が見つかっていないタイミングで交渉に臨む、長期契約を保障することを交渉条件として提示する、といった工夫をすることで、価格を交渉することができるかもしれません。「タイミング」と「期間」は配慮すべきポイントでしょう。
また、「土地や建物の価値が低下していないか」も調べてみる価値があります。そもそものオフィス価値が下がっているのであれば、交渉に応じてもらえる可能性は十分あると言えるでしょう。
尚、自社で交渉が難しいと判断した場合、賃料交渉のための「賃料コンサルタント」も存在するので、調べてみるといいかもしれません。
移転や解約も視野に入れる
1.移転
移転を考えるのであれば、移転先によい条件の物件を見つける必要があります。移転先を選ぶ上では、具体的に以下の3つの項目について検討すると良いでしょう。
(1)立地
1点目は立地です。今自社の置かれている立地は、会社の機能や利益に見合っているでしょうか。業務内容から考えて都心にある必要のない会社であれば、思い切って郊外など家賃相場が比較的安い立地に移転するのも一つの手です。
(2)築年数
築年数の長い建物も狙い目です。空きテナントの多い物件も安く借りられる可能性が高いかもしれません。
(3)面積
面積を見直した後、必要な面積を最低限確保できるだけの物件を探しましょう。
コスト削減のための移転とはいえ、短期的に見れば移転費用等によりキャッシュフローが厳しくなることもあるでしょう。余計な費用がかかっているようにも思えるかもしれません。しかし固定費のコストを削減することは、長い目でみれば大きな収益改善につながることも多く、自社の状況に合わせて一度シミュレーションしてみることをおすすめします。
2.解約
リモートワークで全業務を遂行することが可能で、オフィスが不要だと判断すれば、解約も一つの手です。今までオフィスを借りることで発生していた光熱費なども、併せて削減することができます。
また、WeWorkのような、コワーキングスペースの利用を考えてもいいかもしれません。近年では、施設の充実したコワーキングスペースが全国に広がってきています。
賃料の削減に挑戦してみよう
賃料のコスト削減のための打ち手を3つ紹介しました。
オフィスの移転はハードルが高いかもしれませんが、面積を見直すなど、今すぐにできることもあります。
諦める前に一度検討してみてはいかがでしょうか。本記事が賃料削減の一助となれば幸いです。